就活の資格で簿記は役に立たないのか【いらないと決めつけるのはもったいない】

「就活で簿記の資格なんて役に立つのかな。」

「自分がやりたい仕事は簿記とは関係なさそう。」

こう思って、簿記の資格をかろんじる気持ちはわかります。実際、就職活動で簿記が強いアピール材料になったことはなかったからです。

しかし、社会に出ていろいろと経験してきたなかで、業界・業種にかかわらずもっとも役に立っていると感じるのが簿記です。

  • 意外な業界で簿記が注目されたことはあった。
  • 会社の経営状況を読み取ることができた。
  • 部内の物品購入を任せてもらえた。

もし、履歴書の資格欄になにも書くことが無い方は、短期間の勉強で取得できる簿記を加えてみると自信のひとつになることでしょう。

自信につながる資格・スキルを少しづつ積み上げていくことが、ほかの就活生との差になっていきます。

「いらない」と思うのは、実はもったいないことだったりします。

いらないと決めつけるのはもったいない

就活に簿記はいらないと感じてしまう理由

  • 経理職に就きたいわけではない。
  • 簿記よりアピール材料になる資格が他にある。
  • パソコンで仕事をする時代なのに簿記は古い。

たしかに簿記は持ってなくても困らない資格ではあります。割と取得しやすい資格なのですが、社会に出てもやっぱり持っていない人のほうが大多数です。

地味な印象の資格ですが、簿記が役に立たない仕事は皆無です。なぜなら、会社経営は簿記の上に成り立っているからです。

世の中の会社に対して就職活動を行っていく以上、簿記の知識は仕事になんらかの形で関わってきます。

無きゃ無いで平気だけど、持っているとあちこちで役に立った。それを、私の経験を交えて書いてみたいと思います。

簿記に興味を持っている方の参考になれば幸いです。

意外な業界で注目された

私は新卒で保険業界に入りました。2年ほどで辞めたのちに転々と職を変えて、結局はIT業界に落ち着きました。

職歴欄が足りないほど職を変えてきた私の履歴書は、残念ながらネガティブな印象を持たれてしまいます。

IT業界への転職を目指して就職活動をしていたとき、その面接でちょいちょい注目してもらったのが簿記の資格でした。「あ、簿記持ってるんですね。」と。

「いずれ独立したいと思って取りました。」

パソコンで業務をこなすIT業界と、筆記のマニュアルチックな簿記。交点がなさそうなIT業界の彼らがなぜ簿記に注目したのか。話を聞くとその理由がわかりました。

その会社が受注している案件には、経理や会計のシステムに関する開発も多々あるため、エンジニアでも帳簿を見ることができるならありがたいのだそうです。

会社の帳簿を見ることができた

私が新卒で入社したのは外資系損害保険会社でした。保険の外交員として、市内の会社を回って労災上乗せ保険を提案していました。いわゆる法人営業です。

労災上乗せ保険とは

業務中に従業員がケガをしたときの補償や、事故を起こしたときの賠償責任を担保するための保険。

保険料の見積もりを出すために必要だったのが、その会社の損益計算書。つまり、社長さんから帳簿を見せてもらう必要がありました。

まだ若い私に、「君、帳簿なんて見れるの?」なんていぶかしげに言う社長さんもいました。でも、

「いちおう簿記、持ってるんです。」

と言うと、笑いながら「それは失礼しました。」と手のひらをかえすように感心してくれました。簿記を取っておいて良かったと思ったものです。

夫婦で建設業を営む小さな会社に見積りを出したときは、社長さんから仕訳しわけ(支払われた保険金の勘定科目)ついて相談されたこともありました。

自分が勤める会社の経営も見えてくる

経営状態を見る能力をかせるのは、他社の事ばかりではありません。自分が勤務する会社についても当てはまります。

「ウチの会社、なんか経営がヤバそう。転職の準備しておこう。」

数字を読めると、危ない状況からいち早く次に備えることができます。将来、路頭に迷うような危機的状況を回避することにもつながります。

「数字に強い」というのは武器になるわけです。とくに会社で動いている数字(お金)のことを把握できる能力は、経営者に近い目線で物事をとらえることができる強みになります。

いらない理由を探すより取るほうがいい

  • 勉強期間:2~3ヵ月
  • 電卓:2,000円程度
  • 学習費用:オンライン学習なら数千円程度
  • 受験費用:2,850円

なんとなく、簿記がいらない仕事というのは無いんじゃないか。というのが伝わったかもしれません。

金融・保険の業界はもちろん、不動産、建設、販売、飲食、ITまで…簿記の知識が役立たない仕事は無い。というのが私の経験からの結論です。

簿記は2~3ヵ月の短期間の勉強で取得できます。これほど取得しやすくて、社会に出てから役に立つ資格はなかなか無いでしょう。

もし何も資格を持っていないなら、履歴書の資格欄にまず一つ、簿記を加えてみるのはアリだと思います。頑張って取得した資格があれば就活の自信になるし、ほかの就活生との差にもなります。

オンライン学習を利用して効率的に勉強できれば1万円以内で取れます。


まとめ

  • たしかに簿記は、持っていなくても困らない資格だし、社会でも持っていない人の方が大多数。
  • 社会経験のなかで、あちこちで役に立ったと感じるのが簿記。意外なかたちでIT業界の面接で注目されたことがあった。
  • 帳簿は会社の経験状況を現すもの。興味本位で取った資格だったが、保険業界では仕事に欠かせない知識だった。
  • 数字を読める。数字に強いのは社会で間違いなく武器になる。
  • 簿記は短期間で安く資格取得できる。持っていればほかの就活生との差にもなる。