大学生のうちに簿記3級を学ぶメリット

大学生にとって簿記という資格に抱く印象は地味かもしれません。しかし、簿記ほど取得しやすくて、社会生活で活用できる資格はありません。

何も資格を持っていないなら、まずは簿記3級をおすすめします。「簿記2級じゃないと就職で評価されないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、簿記2級を学ぶにも結局は3級から始めていかなければなりません。

また、簿記の資格を即戦力として扱ってくれる就職先はほとんどありません。経理の採用では、たいていは実務経験者が優先されます。ただ、簿記の資格を持っていることで、キャリアを経理職に近づけていくことは可能でしょう。

では、なぜ大学生のうちに簿記3級を取っておくのがいいのか。この記事ではそれを解説していきます。

就活の資格で簿記は役に立たないのか【いらないと決めつけるのはもったいない】

大学生のうちに簿記を取得するメリット

  • 簿記は費用が安い
  • 簿記3級は取得しやすい
  • 副収入の確定申告に必要

簿記は費用が安い

  • 勉強にかかる費用:オンライン学習なら数千円、予備校なら数万円
  • 簿記用電卓:2,000円~
  • 受験料簿記3級2,850円、簿記2級4,720円

簿記は、勉強にかかる費用、受験料とも安いので、金銭に余裕のない大学生のうちに取得しておく資格として最適です。

現在はサブスク型のオンライン学習サービスがあるので、月々数千円で簿記を勉強できます。学習期間は長くても3ヵ月程度なので、安ければ1万円もあれば簿記3級は取得できてしまいます。

簿記3級は取得しやすい

  • 予備校に通うほどではない。
  • 仕訳作業を繰り返して慣れていくだけ。
  • オンライン学習サービスが安くて効率的。

簿記3級は数ある資格の中でも取得しやすい資格です。覚えたことを繰り返して身につけていけば取得できる資格だからです。

簿記の勉強は、仕訳しわけをひとつ覚えたら、その仕訳を電卓で計算する。こうして帳簿付けの作業を繰り返しながら慣れていくのが勉強方法です。

1日の勉強時間は2~3時間、2~3ヵ月で全範囲を勉強できます。時間をつくりやすい大学生にもぴったりの資格というわけです。

実際、簿記3級の勉強は受験勉強よりもぜんぜん簡単なものです。

副業の確定申告に必要

終身雇用が無くなり、定年も無くなり、ずっと会社員として働ける時代ではなくなりました。

これからの時代は、会社員でも何らかの副業をすることが当たり前であり、あわよくば独立を視野にいれてキャリア設計しておく必要があります。

副収入を確定申告するには帳簿を付けなければなりませんが、ここで簿記が役立ちます。青色申告・白色申告ともに帳簿付けが義務付けられています。

勉強時間をつくりやすい大学生のうちに簿記を身につけておくことは、社会で生きていくうえでの得策でもあるのです。

大学生が簿記を学ぶメリット

  • 勉強時間をつくりやすい今のうちに資格を1つ増やせる
  • 会社の経営状態を見ることができる
  • 社会人になってから副収入を確定申告するときに大いに役立つ

簿記では決算書についても勉強します。就職先を探すときに、その会社が公開している損益計算書を見れば、経営状態や利益率を見抜くことができます。良い会社を探すときのヒントになるわけです。

実用で簿記3級を活かせたのは確定申告のときでした。給料とは別に副収入を申告する必要があり、複式簿記での帳簿付けが義務付けられているからです。このときは「やっておいて良かった」と思いました。

大学生のうちに簿記を学ぶメリットは、就職先で活かすというより、社会生活で活かせることにあると言えます。

独学も無理ではないが…

簿記3級は、独学で勉強するのも難しくはありません。独学のメリットはお金がかからないことに尽きます。ただ、効率が良いとは言えません。

何かの学習サービスを頼ったほうが、適切な学習順序がわかるし、スケジュールを立てやすいです。

そして現在は、学習サービスがそれほど高くありません。サブスク型のオンライン学習サービスには月1,000円程度で利用できるサービスもあります。

簿記3級の勉強期間を多めに3ヵ月間とみても、3,000円程度で学習できてしまいます。書籍代とほとんど変わらないので、わざわざ独学という困難な勉強方法を選ぶ必要もないわけです。

大学生なら簿記何級?

  • 簿記3級:商業簿記(一般的には3級で十分です)
  • 簿記2級:商業 + 工業簿記(やや特殊な分野です)

大学生なら簿記2級を目指しましょう!なんてことは言いません。簿記3級でも履歴書の資格欄に書くことができます。

簿記3級と2級は難易度が違う…というよりも別物です。工業簿記を使う予定が無いのに2級の勉強をするのは時間がもったいないという気がします。工業簿記の必要性が無いなら簿記3級(商業簿記)だけで十分です。

簿記3級を取得したのちに、もし簿記に強く関心を持ったなら2級の取得を目指してもいいと思います。一般的には3級の知識だけで全然不自由なく社会生活で役立てていけます。

簿記を勉強することによって勉強習慣が身につくはずなので、どうせなら他の資格取得を目指してみるのも良いでしょう。

まとめ

  • 簿記は、勉強にかかる費用、受験料とも安い。1万円もあれば簿記3級は取得できる。
  • 簿記3級は数ある資格の中でも取得しやすい資格。覚えたことを繰り返して身につけていけば取得できる資格だから。
  • 勉強時間をつくりやすい大学生のうちに簿記を身につけておくことは、社会で生きていくうえでの得策。
  • 大学生のうちに簿記を学ぶメリットは、就職先で活かすというより、社会生活で活かせることにある。